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「からくり人形は五度笑う」

また、風邪をひいてしまった。師走の半ばに風邪をひいて、それが完治せずに年を越した。やっと治ったと思ったら、また、である。前のは咳が止まらずに困ったが、今回は腹に来た。これも困る。無理をせずに仕事を休んだ。
一日中寝ていたが、ずっと眠っているわけではないので、目が覚めている間は本を読んだ。買いだめしていた中から選んだのは「からくり人形は五度(ごたび)笑う」というミステリーである。タイトルからして、良さそうではないか。
新しい作家の本に手を出すパターンにはいろいろあるが、私の場合で一番多いのは、本の巻末の解説に別の作家の作品が紹介されている場合である。ミステリーばかり読んでいるのは、ミステリー作家の作品ばかりが引用されるからだろう。また、ミステリーのガイドブックに載っている作家を読むこともある。友人、知人から紹介されて読むことは、滅多にない。
さて、この「からくり人形は五度笑う」の場合は、これは古本屋でタイトルを見て買った。島田荘司の推薦があることは後で知った。
この本は、(つかさ)凍季(とき)という人が書いている。女性である。この作品は、一尺屋遙という探偵が登場する第一作で、横溝正史ばりの舞台設定が魅力的である。
かつては人形作りで栄えた村に一人の小説家が訪れる。失踪した父が最後に訪れた村であった。訪れた早々奇妙な事件が続発したため、友人である一尺屋を呼び寄せる。そして小説家は殺される。小説家はその前に起きたことについて文書を残していた。村を訪れた一尺屋は、それを読み、事件の解決に乗り出す。
そんなの分かるかよ、というような物理トリックも登場するが、複雑な人間模様、横溝正史風のミステリーの魅力にあふれていて、好きな人にはたまらないだろう。探偵も感じが良く、続編に期待を持たせる。なぜ、犯人はチャンスがあったのに文書を始末してしまわなかったのか、という疑問は残るが、まあいいだろう。面白かったから。本筋にはまったく関係ないところで、空飛ぶ人形がしゃべる種明かしに、テープが仕掛けてあったという部分があるが、30年も前にそんなにコンパクトな機械はないだろう、と思った。

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[2001-01-10]