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「黒後家蜘蛛の会」

雪は、朝にはすっかりあがっていた。私の両親は、雪かきなどをしているが、私は、晴天なので勝手に融けるとふんで、放っておいた。案の定、昼頃には、車の屋根に積もっていた雪は自動的に解けていた。


アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」の第5集を読んだ(創元推理文庫)。アシモフ(正確には「アジモフ」と発音するらしい)は「私はロボット」などで知られるSFの大家である。恥ずかしいことに一冊も読んだことがない。しかし、彼はミステリーも書いていて、その一つが、この「黒後家蜘蛛の会」のシリーズである。短編集、それも短めの短編を集めた本で、私の知る限りでは、第5集まで出ている。第5集までは出ていること、これは確かだ、今、手元にある本に、ちゃんと「5」と書いてある。今、他の巻は手元にないが、残りの4冊もすでに読んだはずである。
セアカゴケグモというクモがいるらしい。漢字で書くと背赤後家蜘蛛となるのだろう。日本のどこかで異常発生して一時期、騒ぎになった。毒蜘蛛だからだ。タランチュラより怖いとか。黒後家蜘蛛が実在するクモなのかどうか知らない。今度、調べてみよう。
そういう恐ろしげな名前を付けたクラブがある。6人の知識人が毎月一回、レストランの個室を借り切って、食事会をする。毎回、メンバーの誰かが、一人のゲストを連れてくる。ゲストは毎回、奇妙な話、謎に満ちた相談をする。その答えを探して、メンバーが、ああでもない、こうでもないと議論をする。こういう話である。中には、英語の古語や古典も飛び出して、理解できない話の時もある。で、結局、答えが出ない。
これで終わりかというとそうではなく、メンバーの食事の世話をするヘンリーという名の給仕が「差し出がましいこととは存じますが」などといいながら、答えをズバリといい当てる、という趣向である。このパターンの話が、1冊につき12話ずつ入っている。
自分は現場に行かないが、訪ねてきた刑事や友人の話を聞くだけで、事件を解明してしまう探偵のことをアームチェア・ディテクティブという。安楽椅子探偵、などと訳される。この「黒後家蜘蛛の会」の話はまさにヘンリーという探偵の登場する安楽椅子探偵物、である。論理性を好むミステリーファンが好む探偵であろう。
話は、そんな無茶な、というのも、なくはないが、概ね、面白く、水準はクリアしていると思う。とてつもなく、面白い話はないが、小さいながら粒のそろった作品が12個も詰まっていて、一つを読むとつい、次のを読んでしまう、俗にいう「はまる」ミステリーである。

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[2001-01-21]