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「風化水脈」

大沢有昌「新宿鮫」シリーズの最新刊「風化水脈」を読んだ。
もうシリーズ8作目である。
いやあ、このシリーズではもっとも面白くなかったと思う。
すごい偶然のオンパレード。

盗んだ車の改造工場として使っていた民家の古井戸から、鮫島が偶然、死体を発見してしまう。
その死体が見つからないようにと40年前から、それを見張っていた老人。
この老人は元警察官で、40年前に居酒屋で睡眠薬を混ぜられ、拳銃を奪われて、失職。
井戸から見つかった死体は、この娘が拳銃で殺した男。

時は流れて、この娘の娘の恋人はヤクザ。
このヤクザ、かつて、車の窃盗団の元の頭領を改造拳銃で撃って殺していた。
この車の窃盗団が使っていたのが、古井戸のある民家。

いくら、新宿が舞台だからといって、そんな偶然が許されるのか、ハードボイルド。
しかし、ハードボイルドって、こういう偶然に頼っているのが実情。
むしろ、偶然がなければハードボイルドではない。
大体、主人公は、後頭部を殴られて気絶して、ちょうどいい頃に目が覚めるが、現実には、かなりの確率で死んでしまうものらしい。

でも、このシリーズ。面白さでは群を抜いているので、そのシリーズの中では下だとしても、一般的な水準からすると、十分、面白い。


新宿鮫風化水脈

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[2002-04-10]