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密室殺人とトラ

「ほほう、トラのオリの中に入った飼育員がそのまま忽然と消えたというわけですか」
警部は言った。
「そうなんです。オリの中に入るところは見ました。そして私が外から鍵をかけました。えさをやっている間にトラに襲われてそのままトラが逃げ出したりしたら、コトですからね。そしてそのまま飼育員だけがいなくなったんです」
同僚の飼育員が答えた。
「ええっ。じゃあ、密室殺人じゃないですか」
驚いた声とは裏腹に、警部の顔はほころんでいた。警察官が密室殺人に出会うことは宝くじに当たるくらい、まれなことなので、実際に出会うと嬉しくなってしまうのである。まだ死んだと決まったわけではなく、いなくなっただけなのに、「殺人だ」と言い切ってしまうのは、実は密室殺人が好きなのである。そして、決まってこんなセリフを言うのである。
「そんな小説みたいな事件があるわけがない」
しかし、本当の密室殺人だったらしく、事件は迷宮入りになりそうだ。
そこへ、名探偵アケチが登場。赤いスカーフを首に巻いて。
「アケチさん、何とかならんでしょうか」
「警部、あなたの言う通り、こんなのは密室殺人ではない。犯人は目の前にいますよ」
「ええっ。ここにはトラしかいないじゃないですか。まさか、このトラが犯人だって言うんじゃないでしょうね」
「そのまさかですよ、警部」
「そんな馬鹿な」
「なぜ、飼育員の姿が見当たらないか。飼育員の体はトラが全部、食っちまったんですよ」

北海道旭川市東旭川町の旭山動物園(小菅正夫園長)の「もうじゅう館」で13日午後2時半ごろ、同園飼育展示係坂野和英さん(57)=同市豊岡一四条9丁目=が倒れているのを同僚が見つけ、119番した。坂野さんは後頭部など数カ所をアムールトラにかまれ、重傷を負った。同園によると、襲ったのはオスの成獣で、放飼場から寝室に移動させる際に、坂野さんがいた作業用通路に入り込んだらしい。作業用通路の扉が開いていた可能性があり、旭川東署は当時の状況を調べている。「もうじゅう館」では、2頭のアムールトラのほか、ライオン、ヒグマなど猛獣計十数頭を展示。作業用通路は閉鎖されていて、トラは館外に出る心配はなかったという。同日は休園日で、客はいなかった。坂野さんはアムールトラの副担当で、飼育係を20年以上務めるベテラン。(共同通信)

「もうじゅう」とひらがなで書いている。「猛獣」だと恐ろしいという感覚だったのだろうが、結局は猛獣だったわけで、むしろ「もうりょう」と読み違えるような感じもして恐ろしい気もする。考えすぎか。私と同じで漢字が書けなかっただけか。
動物園の動物はテーマ毎に分けるということはあまり意味がない。トラやライオンばかりが続くと、さすがに飽きる。もしくは他のテーマを見ているとき飽きる。やはりトラやライオンは飛び飛びにおいた方がよい。動物園は見世物小屋であって、別に勉強のために見にいくんじゃないんだから。合掌。あ、死んでないのか。

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[2003-02-13]

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